・「運の強さ」の個人差
 わたしたちは日常生活の中で、運のよしあしについてよく話題にします。どんなことでも、偶然に左右されないことはないからでしょう。

 その中でも「実力はあるのに運がない」や「運だけで成功してきた」のように、運のよしあしは、人によって偏りがあるように感じるようです。さらには、性格や容姿の違いと同じように、「運の強さ」もその人の一つの個性であるかのような説明がなされています。

 本当に「運の強さ」に個人差があるかどうかは証明しようがありませんが、この「『運の強さ』に個人差がある」というのは、多くの人が持っている、素朴なかつ根強い考え方の一つです。

 この「運の強さ」には、下のようないくつかのバリエーションがあります。

 ●「生まれた時から差がある」とするもの
 遺伝などで元から持っている身体的能力などを指す場合もあれば、家柄や資産、身分などその人の生まれに由来する環境、あるいは何かは分かりませんが持って生まれた運そのものを指している場合があります。

 ●「努力によって差がつく」とするもの
 運は偶然の要素を指すものであって、人が行う努力とは反するようですが、「運が強い」と思う人ほど、「運の強さ」が努力によって得られたものだと考える傾向にあるようです。

 ●「事象や分野ごとに「運の強さ」がある」とするもの
 「勝負運」や「男運」のように、事象や分野によって、「運の強さ」の程度が異なっているという認識はよく見られます。