・「運資源ビリーフ」とは
 あなた自身、または周りの人が「人の運の量って一定だよね」とか「運を無駄使いしちゃった」なんていう話を耳にしたことがありませんか?運そのものがあるかどうかも分からないのに、ましてや量があるかないかなんて、知りようもありません。でも宝くじに当たって運を使い切った人とかの話を人は良くするのです。

 このような運を研究することは可能でしょうか。科学的には証明されていないが、多くの人が漠然と持っている「しろうと(lay)信念」としてみると、この心理的な現象は調べるほど、興味深いことがたくさん分かってきます。

   そこで私はこのような「運の量が決まっている」や「運は使うと減少する」という考え方を「運資源ビリーフ」と呼んでいます。ちなみにこのような運に関する考え方は、以下の5つにだいたいのパターン分けができます。

 1)「運」自体の存在や有無に関するもの
 ここに含まれるのは主に「運」自体を俗信や迷信として否定する考え方です。

 2)「運」に個人差があるとするもの
 これは能力としての個人差があるように、「強い−弱い」といった強弱の軸で「運」を捉える考え方が含まれます。「生まれながらにして運の強い人がいる」など、生得的に決定されている不変的(運命)なものと捉えられている場合もあります。

 3)状況や状態に対する説明
 状況や状態といった変化しやすい要因に対する説明です。原因が不明な状況を説明する消極的な用法と、結果が連続して生起することを積極的に説明しようとする場合があります。また「勝負運」や「恋愛運」の様に、特定の状況や場所と「運」を結び付ける捉え方も存在します。

 4)物質的なものとして「運」を扱う見方
 物質的なものとして「運」を扱う見方である。お守りやラッキーアイテムなど特定の物と「運」の結び付きも見られます。

 5)他要因との結び付き
 「運」そのものではなく、「運も実力のうち」や「運を呼び込むためには努力が必要だ」のように、他の要因との結び付きから「運」について述べられている教訓的なものが多い。